レンズを通して見たFC町田ゼルビアのこと


by abikozelvia

日本 0-1 ウズベキスタン


何で宮市を使わないんだと批判が爆発しているように思えますが、私はそう否定的ではないのです。

まず、なぜ負けたのかと言うこと。一言で言えば、「日本が強くなってきたから」だと思います。従来から、日本の課題として「個の強さ」と言われています。日本は組織はよいが、個の力が足りないので世界で戦えないと言われています。この試合では、個の力の向上ははっきり見えたと思います。香川、うまいですねぇ。長友、さすがインテルの選手という動き。岡崎、好調をアピールできましたね。内田や長谷部はチームでの不調が現れてか、いまいちでしたけれど、過去の世代とは明らかに違う、一クラスもふたクラスも上のプレーが出来ていたと思います。だから彼らは、ヨーロッパで活躍できている。

中田英寿。すごいと言います。確かにすごかったけれど、ほんとにレギュラーを取れていたのはペルージャ時代だけ。パルマでも3ヶ月くらい良い時期がありましたけれど、他のチームではベンチ入りできるか出来ないかくらいでした。実際ヨーロッパで活躍したと言えるのは小野伸二と中村俊輔くらいでしょう。小野はオランダ、俊輔はスコットランドと、Jリーグと比べてもどうかなというリーグ。しかし今の世代の選手達はドイツを中心にそれより上のリーグで活躍できるようになってきています。個の力は、明らかに上であると思います。だから、ヨーロッパに呼ばれている。

ヨーロッパで活躍しているから、練習に主力がそろわない。集まって1日か2日で試合に臨む。すると、元々日本の強みであった組織、連携には問題がある。余りよい組織が出来ない。余りよい組織が出来ないけれども個の力で勝つ、と言うほどまでには、まだそこまでの個の力ではないと言うことでしょうね。ブラジルやヨーロッパの強豪チームも、それって集まって試合するとたいした試合が出来なかったりする、それでも個の力がずば抜けているので、日本相手くらいだと勝ってしまう。日本もそこまでのスーパースターがそろえば良いのですが、まだそこまでではない。

強くなった。だから選手がヨーロッパで活躍できる。だから練習にそろわない。組織が不十分。個の力は見せつけるけれども、個の力だけで勝つほどではない。敗戦に至った。と見るわけです。やがて日本がブラジルになれるのかどうかはわかりませんけれど、強くなる過程の中では、良い選手がいるのに勝てない時期は、避けられないのだろうと思います。これが距離の近いヨーロッパの国であれば、何とか出来るかもしれませんけれど、遠い日本の選手としては、仕方のない道のりかなと思えます。

宮市。私も期待してます。使ってほしかった。でも使うチャンスは、難しかったでしょう。結論的には、スタメンで使うしかなかったのかなと思えます。ハーフナーを引っ張ったのは失敗だ。確かに、そう思いますけれど、だめと切り捨てられなかったザックの気持ちもわかる。何とか立ち直らせて使える選手にしたい。ハーフナーがだめと切り捨てて済むほど、日本の選手層は厚くないです。特に背がありますし、使える選手にしたい、育てたいという気持ちが引っ張り続けた、試合には負けましたけれど、その考えは理解できますし、私もそうしたかもしれない。藤本に代えて乾を投入した。乾は確かに良かったですよ。ただ、やはりチャンスメーカー的な良さであり、ゴールゲッターではない。乾を使って失敗だった訳ではないと言うだけの働きはしたと思いますが、1点負けているときの働きだったかなと言うと、そこには疑問も残りますね。これは、他の香川などのプレーの問題もあるでしょう。香川もドルトムントデビューの半年はダイレクトシュートが多かったと思いますが、怪我をして復帰してからはトラップすることが増えたように思えます。今回のウズベキスタン戦ではマンツーマンでマークしてくることが多かったように思えますので、トラップしていたらシュートは打てません。ゴール前は密集していましたし、トラップでかわすスペースもない。ダイレクトでないとゴールは狙えなかったと思いますし、シュートが打ててもブロックされたり。それはやはり打つタイミングが遅かったと言うことでしょう。プレミアやセリエAやリーガエスパニョーラの(上位のチーム相手で)ゴールを取るには、あるいはゴールゲッターとしてポジションを取るには、「トラップして蹴りやすいところにボールを置いてシュート」では、無理でしょうね。やはり今は、ドイツリーグ止まりなのかな。

最後は長友の負傷で駒野と交代。アクシデントですからどうしようもありませんけれど、あのタイミングでは宮市を入れても遅かったかなと思います。変えるとしたら岡崎だったのでしょうけれど、岡崎も良い動きしてましたから、負けている状況では下げにくい。3-0でリードしていたら香川と交代もあったでしょうが、あの状況では香川を下げることも出来ない。入れるとしたら4バックを一人削って投入する状況だったと思いますし、最終予選に向けて、あるいは本戦を戦う中ではそういうオプションも必要だと思いますが、これまたヨーロッパから招集して寄せ集まったチームではそこまでの対応策は練れなかった。

ずっとそれを考えていましたよ。4バックを一人削るか、ボランチを削るか、それで前に誰かを入れるか。と思っているうちに長友が足を痛めたようでしたので、どうしようもなかったですね。じゃあ長友抜きで3バックにするか。なかなかそれもねぇ。長谷部をサイドバックにして4バックを維持しながら宮市を前に。しかしそうなると宮市が生きるようなスペースはなくなるでしょうから、それこそハーフナーでもいればと言うことになっちゃうでしょうしね。

と言う訳で私の結論。問題点は多かったですが、日本が強くなってきたからこその問題点でもあり、避けて通ることの出来ない道のり。やむを得ないなと。


最終予選のシード権が言われていますが、1位がオーストラリアで、日本と韓国が2,3位を争うなら、まあどちらかと一緒になるのは仕方ないでしょうね。韓国とオーストラリアが同じ組に入ってくれることを期待したかったのでしょうけれど、ちょっと虫が良すぎるかなと思えます。ワールドカップに出て、ベスト8くらい(南アフリカがベスト16でしたから)をねらうなら、避けて通ってはいけない相手だと思います。



続いて行われたナデシコのノルウェー戦。試合としてはこちらの方がずっと上でした。前半はばらばら感が強かったですが、後半は良かったですね。中央で狭いところでパス交換をしておいて、次はサイドに展開する。サイドに展開したかと思うと中央で突破を狙う。男子の方は狭いところでパス交換をしっぱなしでしたが、女子の方はサイドに展開するための釣りで、わざと狭いところでパス交換をしていたのかもしれませんね。川澄の強引なシュートも良かった。コースが変わるラッキーさもありましたけれど、打ちに行く強引さが男子よりあります。組織の良さは日本人の特性で男女ともあるとすれば、強引さは女子の方があると思えますから、トータルしてどちらか強いのかと言えば、女子の方が男子より強くなる、のが日本人の特性かもしれませんね。
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by abikozelvia | 2012-03-01 19:02