発表されたJ2スケジュールによると、水曜の試合は2試合くらいしか有りません。連休中などの試合もありますが、ほとんどが日曜です。やっぱり何試合かは日曜も出かけないと、水曜だけではだめですね。基本のリーグは10月いっぱいで終わり、11月は天皇杯と昇格プレーオフのようです。あるいは降格の入れ替え戦。JFLも11月半ばには終わるようですから、J2もJFLも試合日程はよりハードになりました。
2012年のJFLを見ると、FC琉球の強化が目につく。「来年だめなら手を引く」と運営会社が宣言した琉球。トルシエ傀儡政権の元、選手は集めても監督は若い監督をあてがって、新里さん(昨年までの監督)もやりにくかったはずだし、統制も取れなかっただろう。沖縄出身の選手にこだわる訳でもなく、成績の伸び悩みや観客動員の伸び悩みも、選手を批判するより先に運営がだめだろうと思うのだが、今年は鳥取から松田監督を呼び、様々なJリーグチームから選手を集めている。相当に強くなる可能性がある。
長崎も本来の昇格目標年度になる。もともとスタジアムの関係から(本音では)2013年の昇格を目指していたし、やっと準備も整って、戦力増強も着々と進んでいる。
昨年2位になった長野も準加盟申請を行っている。昨年優勝したSAGAWAもある。大不況の中、企業チームも選手雇用に慎重になっているだろうが、逆に安定した正社員雇用を求める選手も増えているだろう。昨年は波の激しかったHondaFCも、そろそろ世代交代も落ち着いてくれば、侮れないチームになってくるはずだ。その中で優勝を争うことを考えると、借金しても昨年昇格しておいて大正解だと思ってしまう。
さて、総決算と銘打っているので、JFLにおいての3年間、3人の監督について振り返ってみたい。
2009年の戸塚哲也監督。勝つと言うことについては現実的な監督だったのかなと思う。なんと言っても開幕戦での勝又選手の離脱が痛く、その後もFWにけが人が相次ぎ、ゼロトップと言われる状況の中、やりくりしてやっとのこと6位にこぎ着けた。特に後期はGK修行智仁の活躍が光る。後期については文句なくリーグのベストGKであったろう。ただ前期につまづいた原因は、実は戸塚流にある。一言で言えば野武士なのだな。昔の読売クラブ流、前の晩にたらふく飲んで、翌日ふらつきながらも華麗なプレーを披露する天才集団読売クラブ。その流儀だったので、下から這い上がるやつは自分で這い上がってこいと言う指導だった。そのためトップチームと控えとの差が大きく、個の差よりもチームに入って機能するまでに時間がかかり、単純に勝又が離脱した、FW不足になった、と言う以上に、チームのまとまりを欠いてしまったのかなと思っている。まあそれでも6位に入った。相手関係もこの年が一番弱かったのではないかと思うものの、あの年あの戦力あの状況での6位は、まずまずだったのかなと思う。
2010年は相馬直樹監督。今年フロンターレサポのブログの中で、相馬監督のやり方は、選手の能力を活かすのではなく、自分の描くサッカーに選手を当てはめていくやり方だと書いている人がいた。私もそう思う。町田の戦力は前年より大きくアップし、相手関係はやや強くなったものの2011年ほどではない。その中における3位は、「不合格ではない」程度かなと思っている。もっと上にゆけたはずだし、それ以下は考えられなかった。もし選手全員が相馬直樹であったなら、あの流儀で良かったのだと思うが、町田の選手は選手相馬直樹に及ばない面があったろう。育成年代なら良いが、結果を求められるトップチームでは、もう少し融通が必要だったかなと思う。ただ控えメンバーの育成では大きく貢献し、誰が出ても同じように戦えるチームに育てたのは、前年との大きな違いである。
2011年のポポビッチ監督。途中まで気がつかなかったのだが、後で振り返ってみると、おそらくその指揮は大きく変わっていたはずだ。9月までは、町田は昇格できる予定ではなかった。スタジアムがなかったからだ。従って「代わりにジプシーでも」などと公式発言はされていても、内情では昇格できないと思っていたはずだ。従って監督にも「今年は昇格できないのでチームの底上げと土台作りを」と言う形で依頼をしていたと思われる。ポポビッチも公式には「昇格を目指して」と発言していても、そこは大人の事情をわきまえていたと思っている。なので前半までの戦い方は、大量得点もするが失点もする。勝ち負けが交互に来るような戦いで、成績的にもそれなりであった。ところが秋からはJリーグが妥協したというか、「去年落としてごめんよ」と言う対応となり、メイン工事中のスタジアムに仮設メディアスタンド作ればよいなどと言う考えられない譲歩となり、昇格できるよとなって「ごめん監督、昇格できることになったからなんとか4位に入れて」と言う話となった。そこでポポビッチは戦い方を一変させ、9月以降は最少失点に抑えて負けない戦いをすることとなる。当初は私も得点の少なさに気を取られていたが、終盤になって気がついたのは、失点の少なさ、すなわち負けない戦いに変化してきたのだと言うことだ。その結果9月以降は、たまたま負けた高崎戦だけ3失点したものの、ほぼ無失点で乗り切る試合が続き、結果は3位に入ることが出来たのである。前半の大量得点によって得点力が高いように思われ、後半の無失点試合によって失点が少なく、バランスがよいチームと評価する記事も見受けられたが、実際にはこのような変遷があって結果的にそうなったのだ。ポポビッチを評価するなら、3位という成績よりも、このようなチーム事情の変化に対応して戦い方を変えることに成功したことを評価したい。もちろんそれが出来たのは選手に能力があったからだが、なかなかこれだけ融通を利かせられる監督も少ないのではないだろうか。成績以上に評価したいと思っている。
2012年、アルディレス。まあどんな指導をしてくれるのか楽しみだが、結果論ではなく評価をしたいものだ。新昇格組ながらアルディレスの指揮で好成績を収めるのか、あるいは連敗が続いて5月ころで解任されてしまうのか、だから良かった、悪かったではなく見てみたいと思う。結果的に見れば、これから10年も町田で指揮を執って「町田の顔」と言われる監督になるのかもしれないが、おそらくそれほどの予算はないだろう。J1どころか代表監督すら考えられる人物。来年どこかへ引っ張られるまでのつなぎで町田の監督を引き受けたのだろうと思うが、町田の将来を見据えたチーム作りをしてくれるのかどうか、成績以上にそれを注目してみたいと思っている。
町田としては初めてのキャンプを実施することも発表された。鹿児島でキャンプ(Y選手コネクションか?(笑))の後、宮崎小林でのキャンプ(ごたごた言うよりお礼はないのか某氏(笑))だそうな。都リーグの時だったかな、長野で夏期合宿をやってTMでは松本山雅にぼこぼこにされた以来の、合宿練習である。メディアで伝えられることもあるだろうし、わずかな報道にやきもきしながら開幕を待つのも楽しいだろう。開幕してしまうと、成績次第では楽しいか苦しいか紙一重だが、開幕前は文句なく楽しい。
だが、忘れてはならないこともある。2009年に(予定通りスタジアム不備で)昇格出来なくなったとき、当時の真木専務が公約したことがある。経営の透明化、決算発表である。2010年に昇格を逃したことで真木専務は責任を取らされて解任となったが、その後チームからは真木元専務の公約を撤回するという発表はない。従ってチームはその公約を守って経営の透明化をする義務がある。市民の税金をつぎ込んでスタジアムを改修し、市民チームを名乗る町田ゼルビアであるならば、公約が無くても経営は透明化しなくてはならない。にもかかわらず、平然とないがしろにされてしまって、後からJリーグに債務超過を指摘される失態となっている。
昨年末、オリンパスの不正経理が発覚し、大きな問題となり、企業の危機を迎えていることは、皆さんの中にも記憶に新しい、と言うより現在進行形の事件である。隠して隠して隠し通して帳尻を合わせようと言うことが、大きな事件となってしまう。サッカー界においても、大分しかり、ヴェルディしかりだろう。
「優勝します」と言う公約は、これは守れなくても仕方ない。だが経営の透明化は、守らねばならない約束である。守ろうと思えば守れることなのだ。臭いものに蓋をする時代ではない。この約束が守れないならば、市民チームとしての存在意義を問われねばならない。
負債を抱えたことはやむを得ないが、公約違反は許されない。リーグ戦の成績については温かく見守ろう。だが公約違反には、厳しく批判の矛先を突きつけよう。それはサポーターの義務でもあると思っている。
完