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レンズを通して見たFC町田ゼルビアのこと


by abikozelvia

全国社会人サッカー選手権大会

2009/10/20 全国社会人サッカー選手権大会

準決勝

決勝で負けては意味がない。とはよく言いますが、今回は逆。決勝戦は負けても良いから、準決勝だけは勝たねば。というのも、決勝に進出した2チームに、地域リーグ決勝大会への出場権が与えられるからです。すでに地域リーグで優勝するなどして出場権を持っているチームか決勝に出てくれば、3位に繰り下がりますが、今回の4チームはいずれも切符を持っておらず、決勝2チームがイコール出場権という図式になっています。

数年前、ゼルビアがこの大会に出始めた頃は、地域リーグ決勝大会への切符がかかっておらず、勝って終わりという行き止まりの大会でした。そのため、有力チームでも遠征費が大変という理由で、予選で格落ちメンバーを出してわざと敗退するようなところもあったのです。それが地域リーグ決勝大会への切符がかかるようになって、すべての有力チームが力を入れるようになり、今回も地域リーグの上位チームがほぼ顔をそろえて、全国の地域リーグ有力チームがきそうおもしろい大会となりました。

長野パルセイロ 1-3 松本山雅
この日は、山雅に運が向いていました。KOから激しい攻防。超ライバルである長野県勢同士、しかも強豪チーム優勝候補同士の対戦と言うことで、立ち上がりから4連戦を感じさせない激しい戦いとなります。気合いと気合いがぶつかり合うなか、パルセイロのDFのパスをカット、というかパスにぶつかったみたいでしたが、カットした山雅の柿本選手が抜け出して、DFを振り切りGKをかわして先制ゴール。2分くらいの出来事でした。さらに前半、今度は右から持ち込んだ選手が、自分でシュートが打てそうな場面でクロス、「あーーー(残念)」と言う雰囲気が漂ったそのとき、敵味方が交錯して何となくゴール。オウンゴールという雰囲気でしたが、一応発表は小林選手のゴールかな?
ラッキーな2点をリードして山雅圧倒的有利ですが、パルセイロも必死の反撃。前半ロスタイムに猛攻を仕掛けて、ついに1点を返します。まだまだわからなくなった後半ですがここでも幸運の女神は山雅にほほえみます。右サイドから持ち込んだ選手が、クロスをあげたい、でもマークがいる、数歩前に。クロスをあげたい、でもマークがいる、数歩前に。を繰り返して、結局角度のないところまで前に進んでしまい、クロスがあげられずに仕方なくシュートを打ったら入った・・・ように見えました。まだまだあきらめない長野も激しく反撃しますが、そのままタイムアップ。長野パルセイロの2009年は終了し、松本山雅は11月下旬の地域リーグ決勝大会1次ラウンドにコマを進めることが出来ました。

優勝決定戦は好勝負にはならない。といいます。勝敗が真に重要な場面では、内容のある戦いは出来ないという意味ですが、この試合もそうでした。互いの意地と気迫がぶつかり合って、激しい戦いでしたけれど、ハードなコンタクトで笛が多く、ほおり込んでは蹴り返すシンプルな展開。内容は良くなかったですが、それ以上に互いの気持ちが前に出て、見るものを引きつける試合ではありました。

長野は、苦しいかな。昨年、3年計画の3年目でバドゥ監督が作り上げたのは、おもしろく、強いチームでしたが、もろいチームでもありました。3試合とも2点リードしながら、地域リーグ決勝大会1次ラウンドでの敗退。求められたのはDFの修正であり、1点を守るサッカーだったはずですが、そこで選んだのはバドゥ監督の継続。そして結果は、昨年と同じく、もろいDFのチームでした。そういう選択をしたAC長野、ひいては長野市サッカー協会の、そのものの実力のように思います。今日は山雅に運が向いていました。しかし根底にあるのは、そのような問題だろうと思います。

松本山雅に一つ言いたいのは、サポーターのブーイングが激しいです。JFL以下で、おそらく随一のブーイングでしょう。Jリーグがやっているから、というまねだと思いますけれど、非常に見苦しかったです。Jリーグではやっている、ヨーロッパでは当たり前、といいますが、古く伝統があると言うことは、過去の亡霊を引きずっていると言うことでもあります。ここ20年ほどのOSをみれば、亡霊を引きずったOSの姿は、典型的でした。古いから良いのではなく、新しいからこそ良いものを作り上げるべきであり、まねだけでは進歩がありません。ブーイングをしないでほしいという、ゼルビアの守屋代表の願いを、ゼルビアのサポーター、クルヴァが聞き入れたのも、しっかりとサッカーを知り尽くし、より高いレベルを求める町田市民のサッカーレベルを表しているのでしょう。Jにあがればブーイングを受けることも多々あるかと思いますが、クルヴァには、今後も気高く至高の精神をもって、サッカーを愛し続けてほしいと思います。


ツェーゲン金沢 4-1 tonan前橋
唯一、地域リーグの2部から勝ちのこったtonan前橋。さてどんなチームなのか、奇跡の飛び級JFLは起こりえるか、と思ったのですが、実力差は大きいものがありました。実は3-0となったところで、渋滞を避けて早々に引き上げてしまったのですが、その後意地を見せて1点を返したようで、良かったと思います。サッカーそのものは、今回はこの4チームの中ではtonan前橋が一番良かったでしょう。きれいにパスをつないではっとするようなシュートもあり、十分健闘したと思いますが、実力差はありました。ツェーゲン金沢に力で圧倒されてしまったようです。ことし県リーグから昇格したばかりの関東リーグ2部と言うことでサポーターもおらず、段幕は少し出ていましたが、応援はツェーゲン金沢ばかりがこだましていました。まだまだこれから、数年かけて実力を養っていくチームだろうと思います。



今回はこのようなベスト4となり、松本山雅とツェーゲン金沢が地域リーグ決勝大会への切符を手にすることとなりましたが、本大会はどうなるかわかりません。今回敗退したすでに切符を持っている沖縄かりゆし、ヴォルカ鹿児島、日立UVA、YSCC、レノファ山口なども、ここで負けたからといって地域決勝大会でも負けると言うことではありません。今回は、勝ちたい気持ちが強い、切符のないチームが勝っただけ。本大会は、これ以上の、激しい戦いとなるでしょう。

すでに決定しているのは、
九州リーグ 沖縄かりゆし、ヴォルカ鹿児島
四国リーグ 徳島ヴォルティスセカンド
中国リーグ レノファ山口、NTN岡山
東海リーグ 静岡FC、浜松大学
関西リーグ 三洋電機洲本、ASラランジャ京都
関東リーグ 日立栃木UVA、YSCC
東北リーグ グルージャ盛岡
北信越リーグ JSC
北海道リーグ 札大GP
全国社会人 ツェーゲン金沢、松本山雅

これで、16チームすべて出そろったかな?
どのような組み合わせになるのか、注目の地域リーグ決勝大会は、11月21日から。
by abikozelvia | 2009-10-20 22:31